すでに1ヶ月以上が経ち、すでにPublic Betaまでリリースされてしまっているが、前回のエントリがWWDC予想だったので、今回はレビューをしないといけない。遅ればせながら。
iMessage API
予想通り。他社がAIやBotなどを進めてる中でAppleだけ何もしないわけにはいかないし。ただこちらはメッセージに定型文や画像をPUTするAPIなだけでBotなどには基本的に対応してないと思われる。iMessageの送受信APIがあれば、Bot用のAppleアカウントを作ってBotに対応させることができるだろうがAppleがそこまで公開するとは思えない。でももし公開すればサードパーティによるiMessage for Androidが可能になるだろう。そう、今回もこれはおあずけだ。秋のイベントでサプライズあるか?
Siri API
こちらも予想通り。1%としてたが。内容は6タイプのみの公開で、
– RideBooking(Uberなど乗り物の予約)
– Messaging(WeChatなどメッセージの送信。おそらくLINEも対応するはず)
– PhotoSearch(画像検索)
– Payments(支払い)
– VoIPCalling(ネット音声通話の開始)
– Workouts(ワークアウロの開始)
と、かなり用途が限定されてる。サードパーティのTODOアプリにタスクを追加、なんてことはできないかもしれない。どれかの使って代替的に対応できるのかもしれないが。AppleはAPIのオープンにかなり慎重なスタンスだから、今後広がっていく可能性が高い。
Message App 2.0
メッセージアプリが大きく進化し、表現力が蓋かになった。手書き文字の送信や相手のメッセージへの簡易返信フラグ、文字サイズや表示エフェクトなど大きく進化した。そして何より前述したiMessage APIを使ったAppStore in Messageが始まる。誰でも簡単にステッカーを売れるわけだ。LINEには大きなカウンターパンチと言える。ただし、やはりAndroid対応がないのでユーザーが限られてしまう問題が残る。これだけ多くの機能を追加しても使ってくれる人がいなければ、アプリ開発してくれる人がいなければ意味がない。
Maps & API
これは完全にノーマークだった。マップアプリにAPIを通じてレストランの予約ができたりするようになる。また、これ以外にもマップアプリ自体が大きく変わり使いやすくなった。ただ肝心の地図の内容がまだまだGoogleMapsに劣る点は否めない。そういえば、iOS 10で電車の乗り換え案内が日本(おそらく東京のみ)でも始まる。
Home
HomeKitのデバイスを操作するための専用のアプリが追加される。簡単な操作で家中のライトなどのHomeKit対応製品を管理できる。ただし日本だと対応製品がほとんどない。Siriでも操作できるよ。
Music
予想通り、Musicアプリがリデザインされた。正直微妙。慣れるまでに少々の時間がかかりそう。
Photos
他社がやってるように、写真を解析して自動的にアルバムを作ってくれるようになる(Memories)。
macOS
名称がmacOSになった。ただしナンバリングは変わらず10.12のまま。
Unlock Mac with Apple Watch
こちらも予想通り。ただしTouchIDではなくWatchのみ。Watch売りたいんだろうなぁ。Mac側は2013年以後のものが必要で、Appleアカウントも2段階認証を設定していないといけないなど幾つか条件がある。私のは無理だ。
Siri
MacにもSiriが来る。もう数年前から妄想されてたことがやっと実現。Siriで検索した結果をファイルに追加したりなど便利に使えそうだ。
Photos
こちらもiOS同様に自動でアルバムを作ってくれる。これらはすべてローカル側でやるようで、Mac、iPhone、iPadそれぞれ別個に解析作業をやるようだ。これはプライバシー優先のポリシーのためだとか。Googleならすべてサーバー側でやって各デバイスに結果を送ってくるだけだ。
Universal Clipboard
これは素晴らしい。Mac上でコピーしたテキストやファイルをiPhoneでペーストできる。今までいいちいちノートに書き留めるなど別のアプリを経由して渡さないといけなかった。
iCloud Drive
設定次第のようだが、今後はDocumentsとDesktopフォルダが自動的にiCloudDriveで同期されるそうな。これでMacを複数台使ってる人なんかはどれでも同じファイルを扱えると。iCloudDriveの容量/料金が・・・
Optimize Storage
あまり使わないファイルなどを自動的にiCloud側に置いてローカルから中身を消し、Macの空き容量を確保してくれるらしい。個人的にかなり嬉しい機能だけど、たぶん事故る人(Appleに勝手にファイル消されたと怒る人)が出てきて問題になる。復旧できるといいけど戻せなくなって完全にアウトになると厳しそう。
Tabs
一部のアプリを除いてどのアプリでもタブでファイルを開けるようになるという。サードパーティアプリも自動的にタブ対応になるはず。
Picture in Picture
SafariやiTunesの動画再生を常時前面において表示できるようになる。最近のiPadが対応してるやつ。
Dock
Glanceに変えてDockが登場。さらにDockに追加したアプリは常にロード済みの状態で待機しておき、起動があっという間に。これまでにWatchアプリの起動の遅さを大幅に改善してくれる。ただし10枠。
WatchFaces
ミッキーについでミニーも登場。その他にもActivityRingsをフィーチャーしたFacesも複数追加され選択肢が増える。まだサードパーティにフルに公開はしないようだ。
Breathe
新しく深呼吸してリラックスするというフィットネス機能が追加される。1日に1回くらいはやるかな。
Scribble
手書き文字に対応。手書きを認識し文字にしてくれる。
SOS
サイドボタンを長押しすると簡単に緊急電話がかけられるようになる。海外に行った時にその国の緊急番号を知らなくてもwatchがかけてくれる。
感想
iOSは新しいiMessageやSiriのAPIでどんなアプリが出てくるのか楽しみだ。MapsのAPIはそこまで使われることはなさそう。それ以外は小粒な進化か。
macOSは空き容量を増やして欲しいので歓迎。Crashplanでバックアップしてるので、もし消されてしまっても復旧はできるか。
watchOSが一番の期待。PublicBetaのプロファイルは配布されているがまだリリースはない。watchは今後もなしのままかもしれない。