人間の行き着く先は”退化”


これまでの歴史から考えても、いや、この過去100年の歴史を見るだけでも、未来の地球の形が想像できる。

環境破壊で地球が住めないようになる、とかそういうのはこの際置いておく。今回考えるのは、「自動化」である。過去100年で、工業化が大きく進んだ。ロボット技術も進化して、人間がしていたことをロボットが精確に大量にこなすようになった。
これだけでひとつの答えがでる。

「いずれ雇用はなくなる。すべて自動化されたシステムがやってくれるようになる。」

例えば加工食品や電子部品の大量生産にロボットは欠かせない。ロボットなくしては今の社会・生活レベルを維持できない。それでも、まだまだ人間の手が必要な場合が多い。未来社会から見れば、この現代でさえまだまだ原始的な生活なはずである。人が自ら手を加えなければ回らない社会。それが自動化により、人間が一切手を出さずとも社会が回る社会になっていく。

人間が生きて行くために必要な食料。これも、自動化されたロボットにより、種まきから収穫まですべて自動で行ってくれるようになる。土の状態を24時間監視して必要なら自動で肥料を与えることもできるだろう。収穫された食料は、これまた自動車(人間が運転しなくても運んでくれる自動走行車)が各家庭に運んでくれる。家庭に備え付けられたポストに入れられ、そのまま倉庫に置かれる。調理マシンが倉庫にある食材から栄養面を考えて調理をして、人間が食事を取るテーブルに運んでくれる。

この時点ですでに農家、運送業、スーパーの仕事が消えた。そして、この時点で、人間は食べることに困らなくなった。とりあえず、生きて行くことは保障されるのだ。そんな時、人間が欲するのはよりよい電気製品などのぜいたく品である。
しかし、これもまた自動化されたロボットにより、資源の採掘から輸送、製造までやってくれるから、正直もう金がかからない。ほしければ無料で届けてくれる。ここまでくるとお金がいらなくなるのだ。

こうなってくると、人間の仕事なんてものは、研究開発しかなくなる。その他の人はただ遊んで暮らすだけでいい。 考えることもしなくていい。旅行も、行き先を設定すればあっという間に連れていってくれる乗り物がある。動かなくていい。

ここまでくると、人間はどんどん退化していくだけだと思う。そんな社会レベルに達するのにあと何千年、何万年かかるかはわからない。でもいつかはたどり着くだろう。そこに究極の平等も生まれる。誰もが望んだことを実現できる。

果たしてそれが人類の幸せなんだろうか。ここまでたどり着いて滅んだ文明が過去にあるのかもしれない。歴史は繰り返す。人間は退化に向かって進化していく。