重宝している無料アプリやサービスが有料になったら


インターネット上には数多くの「無料」がある。一度ウェブを開けば無料の情報が湯水のように溢れ出し、写真や音楽、動画がユーザーを楽しませてくれる。しかし、実際のところ、それらにはすべて「コスト」がかかっている。写真撮影のためのカメラの費用、撮影からウェブ公開までの人件費、公開サーバーの維持費。細かく言い過ぎだが、実際これらはコストである。にもかかわらず、多くの人はそれに感謝することを忘れ、逆に無料提供してもらいながら文句を言う。とても残念でならない。

そこで今日は、もしも私が享受している無料のサービスが有料化した場合、どれだけの対価を支払う覚悟があるかということを考えてみる。

インターネットで今もっとも重要で必要とされているのはウェブ検索である(ウェブのことをネットと呼ぶ人が多いけど、ネットはインターネット全体のことであり、EmailやSkypeなども含まれる。ウェブはネットの一部だ)。そのウェブ検索(ネット検索じゃないよ)で地位を築いているのがGoogleだ。さて、このGoogle検索が有料化されたら、あなたはいくら支払う?(他社検索サービスがなし、または同様に有料化したとして=乗り換えなしとして)

Google検索(ウェブに加え画像検索なども含む) 月額500円 または 0.1/query あたりか。やはりこれなしでは生きていけない。

こんな感じで自分に必要なサービスを考えてみよう。

Youtube 月額300円 やっぱり華である。
Twitter 月額100円 そこまで依存してない。情報ソースという面が大きい。
facebook 月額100円 現状外国の知り合いのみなので。今後ローカル知人が増えたらもっと払うか。
Gmail 月額500円 これなしでは・・・
flickr 月額100円 無料なくなったらこれくらいか。pro買えって?w
Evernote 0円 もう使ってない
Dropbox 月額200円 あると便利。なくてもなんとかなる。自分で鯖立てたり。
Google Reader 月額300円 これで多くの時間を短縮出来てる
Google Analytics 月額50円
Google Maps 月額100円 まさに便利というのに尽きる
Skype 月額100円 いざというときに
Tumblr 0円 好きなサービスだけど、Wordpressに来ちゃった
価格コム 月額100円 家電買うときこれないと。月額払っても十分元はとれるだろう。
各種ニュースサイト 月額500円 やはり日々のニュースソースは必要。一番いいソースを選んでそこだけに支払う。

思えばそこまで多くのサービス使ってないことに気づく。なくてもなんとかなるってことだね。この他にもGoogleDocsCalendarも使ってるけど、そこまでヘビーじゃないので。

続いてアプリを考えてみる。世の中にはオープンソースソフトウェアがたくさんある。多くの頭のいい人達が自分の時間を使って提供して下さっている。感謝、感謝。なお、アプリについては月額ではなく買いきり価格で。なお、有償アプリは除く。

Chrome 980円 最高のブラウザである。もっとも多く時間を費やすアプリ。
Ubuntu 5000円 サーバーとしてはこれがないとやっていけない。
PHP 30000円 一度買えば後は好きにサーバー何台ででも使えるとして
MySQL 20000円 データベース楽しい
OpenVPN 2000円 手軽にVPNできるのはいい
TrueCrypt 1500円 Knoxがある今じゃ不要だけど、なければこれくらい払ってもいいだろう
Internet Explorer −300000円 金くれるなら使ってやってもいいレベル
iTunes 2000円 音楽プレイヤーはこれ
VLC 500円 なんでも再生できるのはありがたい
Google Earth 500円 余興
Picasa 500円 iPhotoがある今は不要だけど、なければ
handbrake 500円 エンコーディングならこれ
LyricMaster 300円 歌詞を音楽ファイルに埋め込むなら
NetBeans 2000円 PHPStorm使ってる今は不要だけど、なければ(昔使ってたし)

他にもいろいろあるけど、実際使ってるアプリは有償のものが多い。

これだけのアプリやサービスを無料で使わせてもらってる。本当に感謝あるのみである。なんやかんや言っても、やはりGoogleには大変お世話になっている。Macに移行してからは完全にMSフリーになってるし。

 

NokiaはMicrosoftと心中する気だ


NokiaがMicrosoftとの提携を確認, Windows PhoneをメインのOSにし, 大規模機構改革も
 TechCrunch Japan

モバイル端末の巨人NokiaがMicrosoftを提携し、Nokiaがリリースする端末のOSにMicrosoftのWindows Phone OSを搭載することになったようだ。

これまで携帯電話市場でNokiaは世界で圧倒的なシェアを占めてきた。

携帯でNokiaの世界シェアが4割超える – 通年でもMotorolaとSamsungが逆転 – 2008/01
2010年第3四半期の世界携帯電話端末メーカーシェア。1位Nokia、2位Samsung、3位LG、4位Apple、5位RIM – 2010/11

そして最新の情報では

2010年のAndroid OS携帯、iOSとRIMを抜いて888%の成長(Gartner調べ) – 2011/02

まだまだシェアトップなのに変わりはないが、そのシェアは驚くべきスピードで落ちてきている。Nokiaが採用していたSymbianOSもOSシェアではトップだが、純粋なスマートフォン市場だけで見れば完全にAndroidに抜かれているだろう。NokiaはフィーチャーフォンにもSymbianを採用し、安く提供しているからだ。その分シェアが大きくなる。

しかし、もう市場はSymbian、いやNokiaに見切りをつけつつある。より魅力的なiPhoneやAndroid端末が溢れているからだ。同時に、安い端末はものすごい勢いで中国の会社が開発しまくっている。安くもなく、スマートになりきれないNokia端末は中途半端になってきている。スマートフォンへテコ入れしてはいるだろうけど、Androidの勢いが強すぎて話題にもならない。

そこで、生き残りの策としてMicrosoftとの提携に至ったということなんだろう。だがこの発表でNokia株価はかなり下がった。株主や業界人には歓迎されていない模様だ。しかし、私個人としては「おもしろい選択」だと思う。

前述最後のウェブサイトを見ればわかるようにAndroidは飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びている。iPhoneも相変わらずファン(信者)がたくさんいてシェアは抜かれど売上は安泰だ。端末レベルならiPhoneを超える端末はない。Blackberryはビジネス客には人気があるも、一般向けはiPhoneなどに遅れをとってそうだ(実際1年でOSシェア4%落としている)。市場はiOSとAndroidの二択になりつつあったところを、NokiaとMicrosoftとの提携で「第3の選択肢」に目が行く可能性が出てきた。Windows Phoneだ。

これでパソコン市場と同じ状態になる。Windows、Mac(iOS)、Linux(Android)だ。おもしろいことに、そのシェアはパソコンの全く逆であることだ。パソコンはWindows(90%)、Mac(5%)、Linux(1%)であるのに、モバイルはAndroid(23%)、iOS(16%)、Windows(4%)なのだ。今後、Symbianのシェア(37%)をこれらが食い尽くしていくことになる。

Nokiaのマーケットシェアを利用してWindows Phoneが一気に増えるか。いや、もう一つのシナリオがある。消費者がWindowsに嫌気をさしAndroid、iPhoneを選ぶということだ。これはNokiaシェアをさらに下落させることになる。言ってみれば、NokiaはMicrosoftと心中するようなものだ。

今回の提携ではNokiaにはほとんどメリットはなく、Microsoftには大きなメリットとなる可能性を秘めている。だが、このままNokiaが何もしなくてもジリ貧なのは間違いないし、今回のようなアクションは好意的にみるべきではないだろうか。市場は「Androidを選ぶべきだった」ということなんだろうか。