News of September 24th

可能な限り時事ニュースについて考えたことをメモ的に残していこうというシリーズの開始です。個人的に興味を持ったニュースなので万人受けしないことは請け合い。

米Yahoo、国家に支援された攻撃により個人情報5億人分がリークと確認

米Yahoo.com2014年に5億人分の個人情報を盗まれたというニュース。5億という数字が衝撃的。漏洩した内容は、ユーザーの氏名やメールアドレス、誕生日などに加えソルト付きのbcryptハッシュ化されたパスワード。ということで、まずい中でもパスワードはある程度守られた(復号は難しい)ようだ。だからと言って安心しきってはいけない。Yahoo.comのパスワードを変更することは推奨されるし、同じパスワードの使いまわしは厳禁だ。とりあえず、情報は漏れるものとして利用した方が良い。自衛できるところは自衛する。可能な限り2段階認証などを利用すべき。クラウドストレージなんかにもできるだけ機密性の高いものは避けるべきだし、必要なら暗号化して置くべきだ。自分はMac上では暗号化したSparse Bundleを作って中に重要なファイルを置いてDropboxで同期している。リアルタイムのバックアップにもなり利便性は高い。

Salesforce, Google, Microsoft, Verizon are all eyeing up a Twitter bid

Twitterの身売り話。もう長い間Twitterの成長性・収益性には疑問が持たれ株価も下落を続けていた。創業者のJack DorseyがCEOに返り咲くなど社内も色々と混沌としていそう。そんな中の身売り話は大いに現実味がある印象。Googleが欲しがるのは理解しやすい。リアルタイムな情報が集まるTwitterはGoogleにとって美味しい情報ソースと言える。日々膨大な数の投稿をディープラーニングさせていろいろなことに使ってみたくもなるだろう。LinkedInYammerを買収したMicrosoftにとっても悪くない選択といえよう。ただSalesforceVerizonはよくわからない。Yahooの買収を発表したVerizon的にそちら向けのサービスを拡充していく戦略なんだろうか。確かに通信事業は頭打ちが近いし。Salesforceについては本当にわからないが、Techcrunchの記事でいろいろ分析してる人もいる。個人的にはGoogleが一番近いだろうとは思う。金もあるし、その分野でのトップ企業を買うというのは当然のことだし、Googleはソーシャルサービスは失敗が多い。すでに成功した企業を買う方が安全だ。TwitterユーザーとしてはGoogleアカウント紐付けを強制しなければOKAY!

MySQL 8.0 Development Milestone Release

少し遡ったニュースだけど、MySQLの次のバージョンが正式に発表された。現行のMySQL 5.7の次で5.8もしくは6.0になるかと思いきや、一気に飛んで8.0となった。その理由や新しいところなどはMySQLに詳しい漢のコンピュータ道で。

とりあえず、初回はこんなところで。なお、初日の16:09に予約完了したiPhone7 JB 128GBはまだ手に入っていない。

 

Shopping list of IT Giants

大企業による買収はサービスの進化を早める目的だったり、はたまた買収先の企業の人材を確保する(acquhire)のが目的だったりする。買収は投資であり、当然成功も失敗もある。さて、今回はWikipediaの有名企業(主にIT)の買収企業一覧ページがあるので、リンク貼り付けと、個人的に思いのある買収にコメントという形で書いてみようと思う。

Google

  • Picasa @2004 – 画像共有サービス。flickrと競合するかに思われたが完全にGoogleに吸収されてしまった。
  • Keyhole @2004 – Google Earthになった。確かKeyholeは有料だったが買収後同機能が無料になった。
  • Urchin @2005 – 今のGoogleAnalytics。こちらも買収後無料で使えるようになった。
  • Android @2005 – モバイルOSのアレ。
  • Youtube @2006 – 約2000億円で買収。当時すでに圧倒的トップで、今日も揺るがない。安い買い物だったか。
  • Jaiku @2007 – Twitter競合のマイクロブログ。個人的にはこっちの方が好きだった。買収後まもなく終了。
  • BumpTop @2010 – デスクトップをリッチにしてくれるアプリ。買収後終了。
  • Motorola Mobility @2011 – モトローラの携帯電話デバイス部門。特許などを残しレノボに売却。
  • Sparrow @2012 – Mac用のGmailに特化したメールアプリ。買収後終了。

総評としては、いろんな方面に満遍なく手を出し、潰したサービスも多いが、割と上手く本体に取り込んでる印象。最近はロボットなど将来性のある事業(Google X)に力を入れる。

Apple

  • NexT @1997 – Appleを追い出されたSteveJobsが始めた企業。Steve丸ごと買収。
  • Siri @2010 – みんな大好きSiri。
  • C3 Tech @2011 – AppleMapsのflyover。
  • PrimeSense @2013 – Xboxの初期のKinect。今後のAppleでの採用に期待。
  • Beats @2014 – ヘッドホンとAppleMusicに。

かなり内部技術的な目的の買収が多い。ほぼ全てが本体に吸収されるので、成功や失敗は評価しにくいか。

Microsoft

  • Hotmail @1997 – Webメールの先駆け。
  • Skype @2011 – VoIPの雄。パソコン向けのビデオ会議では人気のようだが、メッセンジャー業界では負け組に。
  • Nokia携帯電話部門 @2013 – WindowsPhone向けに注力しながらAndroid端末を出したりか。
  • Mojang @2014 – MineCraftのメーカー。買収額$2500M。
  • Sunrise @2015 – モバイルで人気のカレンダーアプリ。最近終了宣言。Outlookに吸収。
  • Wunderkinder @2015 – タスク管理のWunderlistのメーカー。

Google同様にいろんな分野を手にかけるがGoogleほど無作法ではないか。買収したサービスはしばらく生き続ける場合もあるが、だいたいがその後右往左往した後本体に取り込まれる感じ。

Facebook

  • Domain @2005 – facebook.comは$200kとか。
  • FriendFeed @2009 – Twitter競合。今年まで続いてた模様。
  • Domain @2010 – fb.comは$8.5mとか。2文字は高い。
  • Gowalla @2011 – foursquareの競合。
  • Instagram @2011 – FBによるバブリーな買収第1弾。$1b!
  • WhatsApp @2014 – メッセンジャーでトップシェアを誇ってた。最近は本家のfbと双頭状態。$19bという破格の買収額。
  • Oculus VR @2014 – ゴーグル上で仮想現実などのゲームを楽しむための次世代技術なハードメーカー。将来への投資か。

ここで挙げた買収はそこまでシナジーのあるものではなかったように思う。ライバルに取られる前に確保した感じ。

Twitter

  • Atebits @2010 – Mac用クライアント「 Tweetie」のAcqhire。その後公式アプリになるが放置プレイが続く。
  • TweetDeck @2011 – こちらもクライアントアプリ。現在も続いてる。ビジネス向け?
  • Posterous @2012 – Tumblrのようなシンプルなブログサービスだった。終了済み
  • Vine @2012 – 6秒動画のアレ。
  • Twitpic @2014 – Twitterはテキストのみだったので画像を共有するためのサービス。Twitterが公式に画像サービスを始めて潰れそうになったところをTwitterに救われる。ただし、事業自体は終了し、過去の画像のホスティングのみ。

  • Periscope @2015 – ライブ中継アプリ。

Tweet機能の補完するものが多い。Twitter事業がシンプルなだけに買収目的もはっきりしたものが多い。

Yahoo!

  • Inktomi @ 2002 – サーチエンジン
  • Delicious @2005 – ソーシャルブックマーク
  • Ludicorp @2005 – flickr作った企業
  • Tumblr @2013 – 人気のブログサービス
  • Qwiki @2013 – 画像や動画を自動で編集して1つにまとめてくれるモバイルアプリ
  • Xobni @2013 – Emailクライアントにソーシャル機能をつけるアプリ
  • Rockmelt @2013 – ソーシャルに特化したウェブブラウザ
  • Cooliris @2014 – 画像を壁にタイル状に並べたようなクールなビュアー。iOS初期からあり人気だった。

衝動買いが大好きな愛すべきYahoo。昔はGoogleを凌駕する企業だったのに今では大きな差がついてしまった。買収も上手くシナジー効果を出せていない。Deliciousやflickrなどはずっと放置プレイが続いた。買収サービスをYahooブランドに変えただけ、というものも多いようで、様々なサービスを詰め込んだ雑なサービス、になってしまった印象。星の数ほどのベンチャーが生まれるアメリカでは地味に映ったか。日本ではサービスの選択肢が少ないのでYahooJapanは一般向けにすこぶる好評。

Wikipediaにまとめられてるのはこれらの企業。その他TechCrunchにThe Age of Acquisitionsといった記事もある。

 

Google Play Musicもきた

ここのところ、サブスクリプションの音楽聞き放題サービスが次々と日本でローンチし始めた。時系列にするとこんな感じ。

  • 2006-10-03 Napster Launched
  • 2010-05-31 Napster Closed
  • 2012-02-XX Sony Music Unlimited Launched
  • 2015-03-30 Sony Music Unlimited Closed
  • 2015-05-27 AWA Launched
  • 2015-06-11 LINE Music Launched
  • 2015-06-30 Apple Music Launched
  • 2015-09-03 Google Play Music Launched

5月以後に大手のプレイヤーが続々とサービスイン。AmazonはPrimeで動画を始めることになってるが、アメリカでは音楽サービスも展開してるので、これも日本にやってくる可能性がある。MicrosoftもGroove(旧 Xbox Music)があるが、日本ではストアのみで聞き放題サービスはないようだ。

アメリカでは他にもSpotifyPandoraRhapsody(旧RealNetwork & Napster)TidalRdioDeezerなどがある。

さて、簡単に機能と料金を比べてみよう。

Apple Music Google Play Music AWA LINE
料金 980-1480 980 360-980 500-1080
プラットフォーム iOS Mac Windows Android AppleTV Android iOS Web iOS Android iOS Android Web
ロッカー 25000曲 50000曲 なし なし
特徴 Connect(ミュージシャンとの交流)
Beats 1(ラジオ)
キュレートプレイリスト
家族料金
ロッカーが大きい ラジオ的な格安のプラン LINE友達と共有

邦楽ライブラリは日本勢の方が優勢なのかもしれないが、機能面やプラットフォーム面でAppleやGoogleが優るか。特にAppleMusicはiOSに深く実装されているため、ライブラリに追加したものはAppleのMusicアプリ以外でも聞くことができる。GoogleもAndroidでは同様か?AWAやLINEにはAPIがなさそうなので、公式アプリでしか聞くことができないと思われる。
GoogleのLockerは無料で50000曲もあり、AppleのiTunesMatchが無料で使えるようなものだ。果たしてGoogleはこの機能を実現するためにレコード会社になんらかの支払いをしてるんだろうか。

個人的にApple信者なのでAppleMusicもしくはiTunesMatchということになるが、無料で音楽を楽しみたい人はGoogleになる。

Choice is yours.

Photo by @HayeurJF
 

Photos in the Cloud

Photos.app

ついにAppleが新しい写真管理アプリPhotos.app を公開した。予想通りというべきか、iOSライクなシンプルでおなじみのデザインとインターフェイスになっている。Appleの現在のデザイン思想としては、左にメニュー一覧を表示し右にコンテンツというのは古い、コンテンツをできる限りいっぱいに表示させるべき、というのがあるのだろう。MacのiTunesもそんな感じに変化している。

さて、各メディアのファーストインプレッションを見てみると、Apertureのようなプロ向けではない、という印象のようだ。たしかにあのUIでは・・・ただ編集機能は割と豊富にあるようだ。自動補正やフィルタから、細かく修正も可能。だが、Apertureで出来たような、写真の一部だけを変化させるような機能はどうなんだろう。リリースされてからのお楽しみか。

Apple iCloud Photo Library

今回のウリはアプリ自身というよりiCloud Photo Libraryの部分だろう。iTunes Matchの写真版ともいえる、すべてをあちら側においていつでもどこからでもアクセスできるようにする機能だ。iCloud Driveの一部という位置付けのため、容量はiCloudの容量に準ずる。したがって、無料では5GBしかない。これをメールやiPhoneバックアップなどとシェアすることになる。絶対に足りない。そこで有料プランがある。

  • 5GB – Free
  • 20GB – $1/month
  • 200GB – $4/month
  • 500GB – $10/month
  • 1TB – $20/month

今私はすでに$1にプランで使用している。念のためのバックアップと、すでにiOS側でiCloud Photo Libraryを利用しているからだ。5GBは超えている。そしてMac側には90GBほどの写真があるので、リリース後は$4のプランに変更予定。iTunesMatchも契約しているが、やはりすべてのライブラリをいつでも利用できるのは便利だ。iPhoneには写真編集アプリが豊富にある。だが、基本的に端末内にある写真しか使用できない。Photo Libraryを使えば、すべての写真から選択できるようになるはずだ。

私のようなApple好きでなければ、こんなサービスにお金を払うのも嫌だ、というのが一般の人の考えだろう。そこでいくつか大体サービスを紹介しよう。

Google

最大のライバルのGoogleも同様のサービスがある。もともとPicasaという名前のサービスだったが今ではGoogle+に吸収されている。そのためGoogle+アプリの機能で画像の自動アップロードでiPhone内の画像をすべてあっち側に置いて管理することが可能なはずだ。PCやMacからでも専用のアプリでアップロードできるらしい。
ストレージサイズもGoogle Driveの容量次第。だが、2048pxの画像または15分未満の動画は対象外の無制限とのこと。

  • 15GB – Free
  • 100GB – $2/month
  • 1TB – $10/month
  • 10TB – $100/month
  • 20TB – $200/month
  • 30TB – $300/month

ちなみに、私は旧プランを継続利用中で、年額$5で20GB(合計36GB)。バックアップなどに利用している。

Microsoft

Apple、Googleと続けば、当然Microsoftだってやってるに決まってる。そう、OneDriveだ。これもGoogleDrive同様にオンラインストレージである。モバイルアプリに写真の自動アップロード機能が付いているが、今の所パソコン向けはないようだ。ファイル同期アプリはある。写真目的には使いにくい、といったところか。

  • 15GB – Free (自動アップロード機能を使うことで +15GBもらえる)
  • 100GB – ¥190/month
  • 200GB – ¥380/month
  • 1TB – ¥1274/month (Office365プラン。MS Officeアプリの使用権限付き)

Officeアプリの付加価値を考えれば1TBの容量が必要な人は検討すべきプランだ。写真は関係ないけど。

Amazon

Amazonも参入済みだ。AmazonについてはS3というストレージが有名だが、Amazon個人アカウントでAmazon Cloud Driveというものが存在する。ほとんど知られていないが。アプリはiOS向けがあり、自動アップロード機能がある。パソコン向けアプリは無いようだ。このサービスはKindleのパーソナルライブラリと共有することになる。

  • 5GB – Free (自分の場合15GBとなっている。Kindle利用者だから?)
  • 20GB – ¥800/year
  • 50GB – ¥2000/year
  • 100GB – ¥4000/year
  • 200GB – ¥8000/year
  • 500GB – ¥20000/year
  • 1TB – ¥40000/year

少し割高と言っていいだろう・・・

Dropbox

Dropboxも競合だ。この手のすべての写真を自動であちら側にサービスでは早い方だったかもしれない。Carouselというアプリだ。この後もLoomを買収するなど、写真機能を拡充している。だがDropboxはストレージ料金が高く、また同期型のサービスのためローカルで削除するとあっち側も消されてしまう欠点がある。iTunesMatchやiCloudPhotoLibraryはすべてをあちら側に置きこちらは消しても問題がない。

  • 2GB – Free
  • 1TB – ¥1200/month

なんやかんやで無料で26GBまで増えた。

Adobe

写真アプリでは最強のAdobeも忘れてはいけない。これまで紹介してきたのはオンラインストレージの写真利用、というものだったが、AdobeRebelはもっともiCloudPhotoLibraryに近いサービスだ。管理・アップロードするアプリもiOSやMac、PC向けにある。RAWファイルに対応している。ストレージではなく写真管理サービスなので料金もシンプルだ。

  • 容量無制限・月50アップロードまで – Free
  • 容量無制限 – ¥500/month

flickr

オンライン写真共有サービスとしては世界で最もスタンダードなサービスがflickrだろう。一般の利用者からプロまで幅広く利用されている。だが残念なことに日本語に対応していないため、日本では一般層にまで知られていない。これはflickrの親会社が米Yahooであり、日本のYahooJapanの領域である日本に契約上サービスできないためだ。もちろん英語で使う分には問題無い。だが日本語対応は今後もないだろう。flickrは他のサービスと違い、すべての写真をあちら側で、というものではない。iOS向けアプリ(日本のAppStoreにはない)には自動アップロード機能があるが、パソコンはただのアップローダーしかない。基本的に共有・オンライン公開のため、というスタンスだろう。もちろん、手動ですべての写真をアップロードすればよいし、非公開にできるので問題は無い。だが、iCloudにあるような、ローカルで編集した写真が自動的にオンライン上でも他の端末にも反映、ということは不可能だ。ローカルとの同期を考えなければ魅力的なサービスといえる。ストレージも!

  • 1000GB – Free!!!!
  • 広告なくなるだけ – $5/month

Box

最近上場したBoxも一応載せておこう。日本ではこちらもあまり知られていないが、ビジネス向けオンラインストレージとして人気だ。iOSアプリで自動アップロード機能がある。

  • 5GB – Free (キャンペーンで50GBの場合も)
  • 100GB – $10/month

日本にも多くの写真関連サービスがあるが、どれもパッとしないし、世界的なインパクトは皆無だ。セキュリティやサービスの存続性などを考え、世界的な企業を選択したほうが良いだろう。
無料でという人はflickrをオススメする。少し手間でもすべての写真をアップロードしてあちら側においておけば、バックアップとして安心だ。
AndroidやPCでも使いたい人はGoogle、お金を出してもいいからしっかりしたサービスというならAdobeも悪くない。もしAmazonがPrime向けサービスに写真保存無制限を追加(USAで実装済み)したらPrimeも検討するのもありだ。

iPhoneとMac使いなら迷わずiCloudPhotoLibraryにGOだ。もちろん有料プランで。iTunesMatchと合わせると年$100をAppleに支払うことになる。お布施と思えば安いものだ。

最後になるが、この手のサービスではEverpixが素晴らしいサービスだった。ローカルとクラウドをうまく同期し、オンライン上でも時間や場所により自動的にアルバムを作ってくれたりと、まさに次世代の画像管理サービスと言えるものだった。数少ないお金を出しても良いサービス(実際に有料版を利用してた)だったが、残念なことに2013年に息絶えた。終了後、スタートアップとしての記録をすべてオープンにしたのも素晴らしかった。Founderたちの今後に期待したい。